金融・経済

経済・金融データ探検隊
VOL.1 これだけ違う消費者物価指数 どれが本命?
金融データシステム 角川総一

日銀の政策目標の中核にあるのが「安定的に物価上昇率が2%を維持すること」。いわゆるインフレ目標です。
では、数ある物価のうち具体的にはどれがターゲットと目されているのか? それは総務省統計局が発表する「全国消費者物価指数(生鮮食品を除く)」です。ただし、消費者段階での物価といってもこの他にもいくつかあります。
総務省統計局が発表する全国消費者物価指数についていうと、代表的なものは以下の図表のように4つあります。

Aはすべてを網羅したもの、Bは中でも代表的なモノ=指標=一般に使われているもの、Cは家計消費や賃金水準について実質値を求めるときに使われる物価指数、そして最後のDが次に述べる指数です。 もともとDの指数を発表し始めたのは日銀でした。2016年、独自に「(生鮮食品及びエネルギーを除く)」の発表を初めたのです(これが上記D)。「このデータのほうがより物価の動きの基調的な動きが把握できる」というのがその理由でした。 その後、これと同じ指数を総務省統計局が発表し始めたのです。ではこの4つのデータの動きはどれくらい違うのでしょうか?

この図表をみるとずいぶん違うことがわかりますね。最大の原因はエネルギーを入れるかどうか。つまり原油価格の変動が含まれているかどうかです。赤線の指数がほかとはまったく違った動きをしていますね。
2016年半ば過ぎからは逆に原油価格が上がり始めたため、「原油(エネルギー)除く」の指数が下がる一方だったのに、「原油(エネルギー)含む」が急速に上がり始めるなど、まったく逆に動いたんですね。
なお、意地悪なようですが、昨今では日銀は「赤=生鮮食品及びエネルギーを除く総合」が物価の基調的な動きを反映している、という主張は引っ込めた格好です。なぜならこの指数で見ると、物価上昇率はなんと2017年11月現在でわずか0.3%にすぎないのですから。「2%目標に対して未だ0.3%」では格好がつかないですね。
ちなみに、一般に指標とされてきた黒線は0.9%ですから、まだしも、ってところなんです。