ブックタイトル【試し読み】Financial Adviser 2017年4月号

ページ
76/100

このページは 【試し読み】Financial Adviser 2017年4月号 の電子ブックに掲載されている76ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

【試し読み】Financial Adviser 2017年4月号

Financial Adviser 076ろう者は、なぜ海外で自由に行動できるのか?   日本人の中には英語が苦手な人が結構いらっしゃいます。道で外国人に話しかけられても、「英語ができないから避ける」という方も少なくないです。あまり知られていませんが、実は〝ろう者?の私も避けられます。同じ日本人なのに、相手がろう者だとわかると避けられるのです。その根底にあるのは「通じないこと」への恐怖なんだと思います。 反対に、面白いことに「通じないこと」に慣れている私は、海外を歩き回ることを怖いと思ったことがありません。日本でも「通じない」のだから、どこでも同じです(笑)。でも、不思議と言語としては通じなくても、会話は成り立つもの。〈伝えようとする気持ち〉と〈理解しようとする気持ち〉さえあれば実は結構通じるものです。だから、ろう者は海外で強いです。もしかしたら手話は最強の言語。手話から派生して、色々な方法で会話を成立させることができるのです。実は簡単なことで、そのひとつが「表情」なんですよ。「顔の表情」は見える言語 私の専門はアメリカの手話で、それは「ASL」と呼ばれます。アメリカン・サイン・ランゲージの略で、これは世界共通語。〝手話の外国語?を学ぶ過程で、私が一番実感したのはコミュニケーションにおける「表情の大切さ」です。顔の表情が明らかならば、言葉がわからなくても感情を読み取れます。手の動きと、顔の動きが言葉になり、初めて〝見える言語?となります。すべてを駆使して言語を「視覚化」していく。これがろう者の世界の〝世界?です。 だから、お客さまと喜びを分かち合うときは、10%増で構いません、嬉しい顔をしてください。ハッピーな話を無表情で伝えても、私にはわかりません。ろう者の世界の「顔の表情」は、いわば聴者にとっての声のトーンと同じ。知っている英語を片言でもいいので、表情をつけながら話すと100%伝わりますよね? そんなイメージでFPの皆さんが接客されたら、きっとお客さまとの関係もグッと変わると思います。Yumi Sodeyama││障がいを持つ経営者のコミュニケーション新発想聴覚障がいを持つ経営者。日本初“ろう者も学べる視覚的英語教材”を開発し、その学習サイトを運営中。手話バイリンガルでもあり、日米手話通訳も務める。手話でも国際舞台でも顔の表情は大事な要素。「そのノウハウはFPの方に役立つ」と本連載でコミュニケーション術を説く。世界デフゴルフ選手権日本代表の夫を支える最強妻でもある。Eyeth for English代表袖山 由美(ソデヤマ ユミ)#01「より通じる」は10%増の豊かな表情で!