ブックタイトル【試し読み】Financial Adviser 2017年4月号

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【試し読み】Financial Adviser 2017年4月号

049 Financial Adviser「感じが良い接客」で売上が2倍に! 私の経営している日の出湯は5年ほど前、売上が落ち廃業寸前でした。資金不足で設備投資ができない、近隣には強力な銭湯、法律で縛られて入浴料金を自由に設定できない。そんな八方ふさがりの中、差別化のため「感じが良い」コミュニケーションを心掛けたことで売上が約2倍に伸びました。 やったことといえば、ただ毎日お客さまと丁寧に接しただけ。本当に「感じが良い」接客を心掛けるだけで売上が伸びるの? きっとみなさんそう思いますよね。 銭湯は(特にうちの店は)、60代以上のお客さまが大半です。1日100人以上のご年配のお客さまと触れ合い、コミュニケーションを重ね気づいたことがあります。 ご年配のお客さまは「感じの良さ」をものすごく大切にしています。商品の魅力以上に「誰から買うか?」を重視します。商品スペックより店員との雑談などコミュニケーションを重視して購買決定をしているのです。 それは、お客さまから掛けられる声で確信しました。「感じが良い」の正体とは? ある日、お店の前の雪かきをしているとおばあちゃんが声を掛けてきました。「お風呂屋さんの人? 感じが良いって評判よ! 今度お風呂行くわね!」 遠くからわざわざ「感じが良いと聞いて」と訪ねてくるお客さまもいます。ご年配のお客さまの口コミ力はものすごく強いのです。そのネットワーク内で評判になったからこそ売上が伸びたのです。 では、どうすれば「感じが良い」と思われるのでしょうか? 当たり前、でも絶対はずせないのが〈笑顔での応対〉です。私もいつも笑顔で応対できるための工夫をしています。 営業前には、必ず鏡の前で笑顔をつくるための準備をしています。口角をあげ、「イー!」と言いながら笑顔の練習を20回。笑顔のバリエーションを増やすために、写真を撮られるモデルになりきって、シャッターを切られているつもりで2秒ごとに異なる笑顔をつくる、という練習もしています。日々の笑顔で「感じの良さ」を貯金していくと考える 実は脳をだますのは簡単、といわれています。口角があがり笑顔になると、脳はこの人は楽しいんだと判断して幸せな気持ちになるホルモンを分泌します。 この仕組みを使わない手はありません。笑顔を無理にでもつくれば、脳が勝手に勘違いして本当に楽しくなるのです。だまされたと思って、ぜひ出勤前に笑顔をつくってみましょう! 私は「感じが良い」は貯金するものと考えています。「いつも感じが良い」、そう言っていただく私は常に笑顔なのでしょうか? 答えはNOです。私は毎日コツコツ笑顔で接して〈感じが良い貯金〉をしているのです。 そして、笑顔になれない絶不調の日はこの貯金を使います。「感じが悪い人」と認識されるのではなく、「いつも感じが良いのにどうしたの?」と逆に心配していただいたりもします。 もちろん貯金のように、使えば減るものと考えてください。日々の笑顔は、調子の出ない日の自分のためでもあります! 小さな積み重ねですが、効果は絶大です。ご年配のお客さまに愛されるキーワード「感じが良い」1980年東京生まれ。有限会社日の出湯 取締役。廃業直前の銭湯を設備投資なしで、業績回復に導いた銭湯の四代目。著書『常連さんが増える会話のコツ』はシニア接客の参考書籍として、銭湯業界だけに留まらず、サービス業全般に浸透している。銭湯の番頭が心がける、目上の人を気持ちよくさせるコミュニケーションのコツをFPの皆さんに伝えたい。風呂も人も温める銭湯オーナー田村 祐一(タムラ ユウイチ)#01