ブックタイトル【試し読み】Financial Adviser 2017年4月号
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【試し読み】Financial Adviser 2017年4月号
043 Financial Adviserちんと顧客に伝えなければならない。 そこで初めに現役層の20歳代から40歳代の顧客に対しては、次のような説明をしてはどうだろう。 将来の様々な計画や夢を実現するためにはしっかり資産形成をする必要があるが、「日本は収入UPが望みにくい国」という事実を伝えるのである。 図表のように過去20年間、他の先進国はそれなりに「経済成長」してきた。しかし、日本はまったく成長していない。一人当たりGDPでみると、20年前の世界順位は第3位であったが、2015年には26位にまで順位を落としている。雇用者報酬も低下傾向が続いている。経済成長がない=収入も増えないということである。 だからこそ、収入UPの一つの方法として「お金にもしっかり働いてもらう」という考え方を持つ投資・運用の基本は「成長」と「分散」べきだと伝えるのである。 将来のために資産形成するときの投資・運用の基本は「成長」と「分散」と考える。なぜなら、成長している国・地域・企業に投資することによって、利子・配当・値上がり益・分配金などの運用の果実が得られるからだ。 そして、「卵は一つのかごに盛るな」というたとえどおり、円に集中している状態から、円以外に「分散」すべきである。つまり、いずれも「国内」から「海外」への流れであり、外貨建て資産を金融資産の中で適切に保有するべきということになる。 現役層は教育費や住居費など何かと出費が多いので、資産運用コンサルタントとしては、可能な範囲で投資信託や外貨建ての保険・年金などの投資型金融商品を使って、積立投資を提案すべきと考える。さらに、NISAや個人型確定拠出年金(iDeCo)などの税制優遇制度も積極的に活用するよう勧めたい。 冒頭の日本版金融ビッグバンの宣言文にある「我が国経済が活力を保っていくため」については、以下のように理解すべきだ。 1700兆円を超える個人金融資産を適切に運用し、仮に毎年プラス1%の運用収益が得られたとしたら、17兆円の新たな価値が毎年生み出されたことになり、それはGDP成長率でプラス3%が実現したということにほかならない。 金融パーソンはこれをしっかり認識したうえで、資産運用コンサルタントとして顧客に資産運用の必要性を伝え続ければならない。運用収益のプラスはGDP成長率に寄与する福田啓太●ふくだ・けいたFPアソシエイツ&コンサルティング株式会社 常務取締役、CFPR、CMA1958年生まれ。証券会社勤務を経て1999年より独立系FP・金融商品取引業者(投資助言・代理業)として、投資アドバイス・各種コンサルティングを行っている。個人・法人の金融資産全体の運用管理の経験豊富。投資・運用の基本は「成長」している国や地域・企業に投資して運用の果実を得ること。さらに国内から海外への「分散」をすること日本は収入UPが望みにくい国。だからこそ、お金にもしっかり働いてもらうことが収入UPの一つの方法今ポ回イのント