ブックタイトル【試し読み】Financial Adviser 2017年4月号

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概要

【試し読み】Financial Adviser 2017年4月号

039 Financial Adviserまず生活資金を確保する 退職金などまとまった資金で老後生活の運用を考える場合、まず最優先すべきなのは、公的年金だけではカバーできない生活資金等の確保である。 次に、近い将来にほぼ確実に支出が見込まれている資金の運用方法を考える。さらに、思わぬ大病などに備える予備資金の確保も重要である。これらの資金の運用にリスク商品は向かないので、預貯金等の安全確実な商品での運用をアドバイスする。 以上の資金を確保したうえで、顧客がリスク商品での運用も希望する場合は、残りの資金(いわゆる余裕資金)でリスク商品での運用を提案するのが基本である。ここでの大きなポイントは、今後のキャッシュフロー等も踏まえて、過大な投資金額にならないようにすることである。 投資金額を決めたら、次に資産配分を考える。商品選択よりも資産配分のほうが、運用資産全体のリスクとリターンに大きな影響を与えるので、この点はよく検討する必要がある。その際、高いリターンを目指す場合は株式の割合を高めにする、リスクを低くしたい場合は債券の割合を高めにするのが基本である。 資産配分を決めた後で、具体的に投資する商品を決定する。商品選びに困ったら、インデックスファンドを選べばよい。 このように、「投資金額↓資産配分↓商品選択」の順番で考えていったほうが運用で大きな失敗をする可能性が低くなる。商品選びから入ると、往々にしてバランスの悪いリスクの大きな運用になってしまいがちなので注意が必要である。 退職金の一部などまとまった資金を運用する場合でも、特定のタイミングで一度で投資するのはリスクが大きい。そのため、時間分散も意識して、何回かに分けて投資することを提案したい。 実際に投資する場合は、運用益が非課税になるNISAを活用すべきだが、NISAでは年間120万円までしか投資できない。投資金額と投資スケジュール(何年かけてポートフォリオを作り上げていくか)によっては、課税口座の利用も提案していく必要があるだろう。預貯金へのシフトも提案 退職金運用などでリスク商品を組み入れるのは、インフレリスクをヘッジするため、あるいは効率的な運用のためであり、基本的にはいずれ取り崩していくことになる。 リスク商品での運用ではリバランスも大事だといわれるが、70歳くらいからは、当初の投資比率に比べて比率が高くなったパフォーマンスの良い資産を一部売却し、その資金で再投資はせず、預貯金等にシフトしていくといった売却プランもあらかじめ提案しておきたい。退職金等を原資にして老後生活に備える場合の運用提案まとまった資金の運用であっても時間分散を意識した投資を提案: 2 Case特 集 「顧客本位」の提案できてますか?