ブックタイトル【試し読み】Financial Adviser 2017年4月号

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概要

【試し読み】Financial Adviser 2017年4月号

Financial Adviser 010 アクアビットの田中と申します。私は「未来を予測する」という変わった仕事をしています。この仕事を始めてもう15 年になります。 なぜ「未来」を考える必要があるのか。ビジネスで中長期戦略を立案するというのは、半分かそれ以上は「先」を読むことだからです。「先」が読めれば打つべき手(=戦略)は自ずと見えてきます。 このコラムでは様々な分野の「未来」について、私が仕事の中で携わっている「生きた情報」を中心にお伝えしたいと思います。「お金」と「ポイント」の境界線があいまいに 最近私が強く感じるのは、「お金」の歴史的な変化が始まろうとしているということです。 お金といえば、これまでは円やドルなど各国政府が発行する「通貨」でした。でも、例えばTSUTAYAのTポイントを思い浮かべてください。かつてはビデオや音楽CDのレンタルが無料になるというだけのものでした。しかし今は、スーパーやコンビニでもポイントを貯めたり使ったりできます。さらに最近はYahoo! Japanとも提携し、ネットショッピングで売っているあらゆるものが買えるようになりました。デジタル化によって「お金」と「ポイント」の境界線があいまいになっているのです。 なぜこのようなことが起こったのでしょうか。インターネットの普及により、価値の移転が限りなくコストゼロで可能になったからです。 クレジットカード決済では、金額の3?5%程度を店舗側が手数料として支払うのが一般的です。現在のクレジットカードシステムは、カードリーダーなどの専用機器が必要であり、紙ベースの事務処理を前提としているのでコストダウンには限界があります。 しかし、すべての処理をインターネットに乗せたうえで完全自動化にすることで、運用コストを極端に下げることが可能になりました。1円(ポイント)単位の価値のやり取りを、業界を超えて手軽にできるようになったのです。 これからの時代は「決済手数料ゼロ」が当たり前になるでしょう。国内ではLINEが月額「お金」の概念が変わる#01田中 栄アクアビット 代表取締役 チーフ・ビジネスプランナーあずさ監査法人 KPMGジャパン 総合研究所 顧問